書評 生産性向上のための「仮説思考」(内田和成 著)
多くの情報を集めてよりよい判断が出来ているだろうか?情報集めに必死になって時間切れになっていないだろうか?働き方改革と銘打って勤務時間の短縮やテレワークなど様々な方法を企業は取り組んでいるが、個人個人がムダなことをそぎ落として、成果に直接結びつくことのみに注力することが一番大切なのではないかと思う。今回の私が読んだ「仮説思考」には方法がまさに記述されている。
エンジニアとして、「仮説思考」は身につけないといけない考え方なので、興味を持った方は是非読んでみてほしいと思います。
普段、読んだ本の所感は 読書メーター にサラッと書いて終わりにしています。気になる書籍は、少し長めにこうしてブログに掲載しています。
読んだきっかけは…
私自身は物事はなんでも仮説・結論・説明したいことなどをまず立てて、こうすれば上手くいく、そのためにはこれが必要で、ゴールから順番に考えていくのだが、部下・後輩にその考え方がなぜ必要なのかを恥ずかしながら明確に説明できなかった。
なぜ、その考え方がよいのかを納得してもらえないとやはり部下は動いてくれないものなのです。
そのような状況で書店で目にとまったのが本書で、部下、後輩に仮説を立てることの大切さを説くために読んでみた。2006年に発行された本なのに、なぜか書店(丸善丸の内店)では、目立つ形で置かれ、偶然にも目にとまったのがわけだ。書店では、こういう本の出会いがあるから暇を見つければ足繁く通う価値があると実感する。課題解決策を求めて書店に行くのはある種私のワイフワークでもあります。
10年たった今でも一読する価値がある書籍と出会えました。
仮説思考とは…
仮説思考という考え方が上手く表現されているのが「実験を始める前に論文を書く」という一文がである。結論を決めてそれを証明するというプロセスこそが、ムダな実験や情報収集を減らし、成果に結びつく最短距離なのではないだろうか。仮に仮説が間違っていた場合でも、早期にその仮説が間違いであることが証明できれば、軌道修正も十分可能である。
日本人は生産性が低いという指標が出ているが、一方で細かな点についての分析については長けている。生産性が低いのは、たくさんの情報を集めてから、みんなで分析して答えを出すという考え方から、仮説を立ててそのために情報を集めて、間違っていたら改善するという考え方への変革が必要なのではないか。
仮説思考を身につけるための具体的なプロセスが示されているので、自分自身の生産性を高めたいと思っている方、私と同じように部下・後輩に仮説を(結論)を決めて進めていく大切さを説きたい方は是非読んでみことをオススメします。
- 作者: 内田和成
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/05/02
- メディア: Kindle版
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